自社のホームページを開設している企業の割合は93.2%。ほぼすべての企業が、すでに「情報発信の入り口」を持っている計算になります。
しかし、SEO・コンテンツ制作に取り組んでいる中小企業は27.5%にとどまり、取り組んでいても十分な成果を実感できているのは1割程度です。「ホームページがある」ことと「検索で見つけてもらえる」ことの間には、大きな溝があります。この記事では、Googleが公式に示す品質評価の考え方「E-E-A-T」を軸に、中小企業がまず手を付けられる改善ポイントを整理します。

ホームページはあるのに、対策には手が回っていない
総務省「令和6年通信利用動向調査報告書(企業編)」によると、自社のホームページを開設している企業の割合は93.2%(前年から0.2ポイント上昇)。従業者100〜299人規模の企業でも91.8%と、企業規模を問わずホームページを持つこと自体はすでに一般的です。
一方、株式会社LiKGが2025年11月に実施した調査(全国の経営者・役員200名対象)では、Webマーケティング施策として「SEO・コンテンツ制作」に取り組んでいる企業は27.5%と、数ある施策の中で最多ではあるものの、全体の3割に届きません。さらに同調査では、施策全体を通じて「十分に成果を感じている」企業は10.0%にとどまり、「あまり」「全く」成果を感じていない企業の合計は64.5%にのぼります。
もう一つ気になる数字があります。同じ総務省調査では、ホームページのアクセシビリティに関する国際規格(JIS X 8341-3:2016)について「規格およびアクセシビリティとは何かを知らなかった」と回答した企業が51.5%と最多でした。品質を測る基準そのものを知らないまま公開しているサイトが半数を超えている、ということです。「作って終わり」がセキュリティ面で招くリスクと同じ構図が、SEO・品質面にもそのまま当てはまります。
Googleが重視するのは「誰が」「どれだけ信頼できるか」
Googleは検索セントラル公式ヘルプで、コンテンツの質を評価する観点としてE-E-A-T(Experience経験・Expertise専門性・Authoritativeness権威性・Trust信頼性の頭文字)を示しています。4つの観点は並列ではなく、Google自身が信頼性(Trust)が最も重要な要素だと説明しています。専門性や権威性がどれだけ高くても、情報として信頼できなければ意味がない、という考え方です。
これは記事の本数や文字数を競う発想とは異なります。同じテーマの記事を大量に作っても、「誰が書いたか分からない」「実体験に基づかない一般論の要約」であれば、Googleが重視する基準では評価されにくいということになります。

何から手を付けるか——E-E-A-Tのセルフチェック
4つの観点は抽象的に見えますが、自社サイトで確認できる具体的なポイントに置き換えると、次のように整理できます。
| 観点 | 自社サイトで確認できること |
|---|---|
| 経験(Experience) | 他サイトの要約ではなく、自社の実体験・独自の事例やデータを書いているか |
| 専門性(Expertise) | 執筆者・監修者が誰か明記されているか。その分野に詳しいと分かる情報があるか |
| 権威性(Authoritativeness) | 実績・導入事例・メディア掲載など、外部から裏付けられる情報を示せているか |
| 信頼性(Trust) | 会社概要・問い合わせ先が明確か。情報が古いまま放置されていないか |
すべてを一度に満たす必要はありません。まずは自社サイトの主要なページを1つ選び、この4つの観点で見直すところから始めると取り組みやすくなります。
内部リンクは「数」より「文脈」
SEOというと「内部リンクを増やす」「記事数を増やす」といった量の話になりがちですが、Googleは検索セントラル公式ヘルプで、1ページあたりのリンク数に理想的な値はないと明記しています。数を機械的に増やすことより、読者にとって文脈上意味のあるリンクを、必要な場所に置くことが重視されています。
ホームページを持つこと自体はすでに当たり前になりました。ここから成果につなげるかどうかは、量ではなく、E-E-A-Tが示す「誰が」「どれだけ信頼できる形で」情報を発信しているかにかかっています。
関連記事: WordPressのSEO設定ガイド:公開前に整えたい6つの基本設定 / ホームページ保守の必要性——WordPress脆弱性リスクは年間7,966件 / ホームページに問い合わせが来ない、よくある原因の切り分け方
出典一覧
- 総務省「令和6年通信利用動向調査報告書(企業編)」
- 株式会社LiKG「Webマーケティング投資実態調査2025」(2025年12月23日公表)
- Google検索セントラル公式ヘルプ「AIを含む自動生成コンテンツに関するGoogle検索のガイダンス」
- Google検索セントラル公式ヘルプ「Googleにわかりやすいリンクを作成する」